未成熟なよりしろ―ある翔太PのsideM4th雑記
セブンのごぼう和風サラダ(新商品)とKIRINのビターチューハイをおともにし、PCに向かっている。
数時間前、4th2日目に現地参加してきた。前記事*1でも書いたように、これがわたしの人生における「初現地」であった。一言で言えば、ただ純粋に最高だった。
けど本当のところは、今のわたしの心には「事前にまったく予想していなかった気持ち」が芽生えていて。それを早く確実にことばにしたくて、あらゆる飲み会やご飯を断って帰宅してしまった。みんなすまない、ありがとう。
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SSAの会場に足を踏み入れたときのその瞬間。比喩ではなく私は泣いた。
どこまでも広い会場、天井、無数の客席。それらをゆったりと照らしゆくスポット。
そのすべてが、これから始まるステージ、翔太たちの為にしつらわれたものなのだと思うと、涙があふれてきた。同行者がいたので自重していたけれど、彼女が席を立ったとき、わたしはまたこっそり号泣した。
MTWがはじまればまた泣いた。夢色VOYAGERも泣いた。そんなだから、もう私はペンライトを振りながら、今日の完全敗北を悟っていた。
……きっと今日は泣き通しになる。からだじゅうの水が空になるまで泣き尽くしてしまうんだろうなと。
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でも、その悟りはあっけなく終わってしまった。
《M4:千客万来ニーハオサァカス!》
言わずもがなの翔太歌唱曲。
だから、曲冒頭の銅鑼の音(どぉぉぉんってやつ)が鳴ったと脳が理解した瞬間、わたしは一気に”ぶち上がって”翔太色のペンライトを掲げた。
……のだけど。
『あ、禎丞さん、いま大丈夫だったかな……?』
目で追っていた禎丞さんがよろけた。
千客万来は激しいというよりは、制止で魅せるダンスだ。ダンスにおいて、キレイに制止する振りの方が難易度が高いというのは良く聞く話。だから、MVを見たときから「これライブで出来るかな~」とわたしは度々気にしていた。そのことを思い出した。
……とか考えている間に、禎丞さんがまたふらついた。
2回目を認識したそのときから、わたしの中の何かがぱちんと明らかに切り替わった。
「……禎丞さん、いけ、がんばれ」
「できる、いける!いけるよ!!」
ペンライトに謎の念を込めはじめるようになった。翔太歌唱パートではこころの中で一緒に歌った。
ぼろぼろ溢れていた涙は止まった。
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次に禎丞さんを見たのはメンタル曲だった。わたしはバックステージに近い席だったので、モニタに頼ることなく禎丞さんをただ見つめていた*2。
ガン見して分かったことだけど、禎丞さんは左右の振りがとても大きい。腕を回したり、サイドステップしたり。そのひとつひとつをすごく大きく表現する。
……のだが、多分そのためだろう、フリ後の復帰が遅れたり、反動でふらついたり、そういうブレみたいなものが確かにある。
それでも、わたしには分かった。彼がしたいことがわかってしまった。
『だって翔太なら左右の振り大きい筈だもんね』
ね。小さい身体から長い手足をぴんと延ばしてパフォーマンスする。周囲の空間すべてを翔太のものにするように、届く範囲すべてに四肢を延ばす。翔太ならそうする筈だ。
フリが少ない時には右足でリズムを刻んでいる禎丞さんもいた。
これもよく分かった。
『だって翔太なら余裕ある時、自由にアドリブしてダンスしちゃうもん』
天才ダンス少年だぞ。目立たない小技をわざわざ仕込んでファンのみんなを沸かせる。ああ、翔太ならやるだろう。
禎丞さんのJupiter愛、翔太愛が強いのは以前から度々耳に目にしていた。彼は、その愛そのものを、翔太を、有り余るすべてを、その身全部に「宿そうと」してくれている。
「御手洗翔太は絶対に千客万来でふらつかないし、でかいフリしても余裕だし、あと汗を315リットルもかかない」
それは確かにそうだ。だから禎丞さんは御手洗翔太の完全なよりしろじゃない。
だけど。
震える手を差し延べる。
震えてもなお、その手を差し延べる。
彼の姿を目の前で見て、御手洗翔太のよりしろにふさわしいのは、誰でもなく禎丞さんしかいない。わたしはそう思った。
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グロリア、本当にカッコよかった。
Wちゃんラジオで神原おにいさんの熱い想いを聞いてたから、お披露目してもらえて嬉しかった。
グロリアでもDtGでも、Jupiter曲が来たら泣いて、とにかく駄目になるんじゃないかと思っていたけれど、前述の気持ちになっていたわたしは、一切泣かなかった。イントロでグロリアを認識した直後、手際よくUGを数本取り出して膝で折った。Wow…のところはフェスよろしく声を張り上げた。
じゅぴらじ宣告通りのスタンドマイクパフォーマンス。続けざまに炎が打ち上がる。王者の名に恥じない純粋で圧倒的なカッコよさ。若さ迸る熱い歌唱。向かい風に逆らう覚悟。魂の炎。彼らは、魂に炎を灯し、魂を燃やすことのできる惑星だ。
急上昇する会場のボルテージ。わたしの精一杯のコールがかき消されてしまうほどの声量。ペンライトの波。一面の緑。体感10秒の4分36秒。
Gloriaとは
https://ejje.weblio.jp/content/Gloria
主な意味 (祈祷(きとう)書 中の)栄光の聖歌、頌栄(しようえい)、グローリア
GLORIA MOMENTは、栄光のための聖歌*3。
ふたたびJupiterがトップに手を延ばす宣戦布告。
Jupiterがカッコいいのは当たり前だった。冬馬は、北斗は、翔太は、今もその身を焦がし栄光を目指す。そんな3人の全てを、てらしくんは、神原おにいさんは、禎丞さんはその身に宿そうとし、彼らもまた身を焦がす。冬馬と北斗と翔太の炎がどんなに大きくても、たとえ実在のその身に適わぬ大きさでも、いや、だからこそ一層身を焦がす。
ならば、わたしに泣いているいとまなど無い。
小さな炎でも、わたしもこの身を焦がしたい。
それはきっと決して向かい風なんかで消えてしまわない炎。
ライブ前のわたしが最も勘違いしていたこと。それは禎丞さんはじめキャスト陣が完璧なよりしろとしてアイドルを実在させ、わたしがそれを一方的に享受しようとしていたことだ。
一緒に声を上げ、一緒に体を動かして、そして一緒に魂を燃やす。一緒の空間で吸った酸素を熱に変え、光に変える。それが、アイドルを、翔太の心を、翔太そのものを形作ること。それを一緒にすること。きっとそれがほんとうの「ライブ」。
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ここまで散々、なかじゅぴの皆さんの話を繰り返してしまったが、わたしもまた未成熟だ。成熟したプロデューサーはそもそも会場入りで泣いたりなんかしない。ちょっとしたことで情緒はぐちゃぐちゃになるし、すぐ泣くし、取り乱す。彼らに抱かされる想いの大きさにわたしのこころが耐えられなくなるのだ。我ながら器が小さい、小さいにもほどがある。つまりわたしも結局のところ、未成熟なよりしろだ。
だけど、それでも、恐れることなく精一杯に愛を叫ぼう。
ただ好きだと叫び続けよう。
ひたすらに魂を焦がして、走り続けよう。
冬馬に、北斗に、てらしくんに、神原おにいさんに、
翔太に、禎丞さんに振り落とされないように。
もっといろんな人に翔太を、Jupiterをすきになってもらえるように。
それが、4thで魂を焦がしてくれた禎丞さんへのわたしなりの回答だ。
そして、待っていて、「御手洗翔太」くん。
……こうしてひとつやっと理解して、
わたしはやっと今さら、1stのあの言葉を噛みしめている。
禎丞さんがわざわざ選んで放ったあの言葉。いま、それを全力で信じます。
「一緒に、がんばっていこうね。」
(おしまい)
//5.13 04:00 :第一項
//5.13 22:00 :大幅改稿
*1:https://callofangels.hatenablog.com/entry/2019/05/08/191531
*2:4thは会場前後の2ステージ構成。メインステージから離れていても、バクステを楽しめる良い工夫だったと思う
*3:因みに「頌栄」とは三位一体の神を讃える歌、の意。三位一体?3人…?考えすぎか